イントロダクション
20年にわたって原発の危険を訴え、全国で原発差し止め訴訟を繰り広げてきた弁護士・河合弘之は、 福島第一原発事故以降は、より一層、その活動に力を注いだ。 国民に原発問題を理解してもらうために、自ら映画監督となり、 原発問題映画「日本と原発」「日本と原発 4年後」まで制作した。
複雑な原発問題の全体像を分かりやすく描いた原発問題映画は手応えがあった。 原発差し止め訴訟でも裁判所で上映をして、いくつか勝訴も勝ち取った。 原発問題の理解が進んだのは良いが、映画上映会に合わせて講演会を日本各地で行うと、 河合はそのたびに冒頭の問いに直面した。
河合は、再び思い立った。「原発を無くしたあと、自然エネルギーで十分にやっていけることが分かる映画を作ろう!」 河合は、20年来自然エネルギーならこの人と信頼してきた飯田哲也を仲間に招き、 河合と飯田の二人の旅が始まった。
二人は、北から南、西から東へと、日本と世界を駆け巡った。 自然エネルギーの歴史を切り拓いたパイオニアを訪ね歩き、 自然エネルギーの最前線で挑戦する人々を訪ね歩き、 本作「日本と再生 光と風のギガワット作戦」を創りあげた。
本作は、今この瞬間に起きている世界のダイナミックな変化を描いている。 自然エネルギーが実用化していることはもちろん、これほどまでに急速に普及し、 大きな変化を起こしている現実を目の当たりにした河合は、大いに驚いた。
当然だろう。「人類史第四の革命」とさえ呼ばれる、ダイナミックかつ世界史的なエネルギー転換である。 日本ではほとんど知られていない。 それどころか、原発再稼働に固執する日本は、その大きな歴史的な変化に逆らい「逆走」している。河合は、その変化に背を向ける日本に、危機感すら覚えた。
幸い、歴史は周縁から地域から変わるという教訓のとおり、日本各地でさまざまな挑戦や希望の芽も始まりつつある。 エネルギー転換の歴史を「逆走」している日本だが、今ならまだ間に合う。自然エネルギーへの変化は避けられないだけでなく、豊かな日本の未来を約束してくれるのだから。
哲学者 小川仁志
疑うことができる強靭な「知」、変わることができる強靭な「心」
「日本と再生 光と風のギガワット作戦」を観て、ようやく謎が解けた。なぜ日本だけが自然エネルギーに転換できないのかという謎だ。それは、日本人には二つの大事な性質が欠けているからにほかならない。一つは物事を疑うための性質。もう一つは変わるための勇気。
日本人は、自然エネルギーが不安定で非効率だという固定観念をどうしても疑うことができない。ヨーロッパの転換が早かったのは、やはり哲学の伝統のおかげで、固定観念を疑うことに慣れていたからではないだろうか。
しかし、仮に疑うことができて、真実を知ったとしても、日本人にはなかなか大きな転換をする勇気がない。映画の中でも、コペンハーゲンの技術・環境市長モーテン・カベル氏がいっていたが、変わるためには勇敢になる必要があるのだ。
実際、映画に登場する自然エネルギーへの転換に成功した日本人は、皆疑うことができる強靭な「知」と、変わることができる強靭な「心」を持ちそなえていたように思われる。
自然エネルギーにかかわる人のことをあたかもプリミティブであるかのように揶揄する声があるが、それはとんでもない間違いであることがこの映画を観ればわかるだろう。彼らは原始的だから自然エネルギーに転換したのではなく、より賢いから転換することができたのである。
自然エネルギーのメカニズムは賢くないと理解できない。プリミティブではなくむしろスマートなのだ。その意味で、自然エネルギーは人間の知あるいは技術と、自然のリソースが史上初めて弁証法的に止揚を成し遂げた成果であるということができる。
賢い人たちが安易に原発に頼らず、懸命に知を働かせた結果、自然の女神はようやく私たち人類に光と風の手を差し伸べようとしてくれているのだ。その手を握るのか、それとも背を向けるのか、それは私たちの「知」と「心」の強度に委ねられている。
津田大介 (ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
映画監督・河合弘之の三作目にして最高傑作が誕生した。
『日本と原発』『日本と原発 4年後』に続いて題材として選ばれたのは再生可能エネルギー。世界中で同時進行的に起きている「再エネ革命」の最前線を、環境学者・飯田哲也と共に訪ね歩くことで明らかにしている。
しかし、なぜ再生可能エネルギーだったのだろうか。河合は今作の冒頭でその動機を語っている。「脱原発と自然エネルギーはコインの裏表。両方同時にやらなきゃいけないことがよくわかった」
「コインの裏表」とはよく言ったもので、前2作と今作は好対照をなしている。怒りや悲しみに駆動された前者と、楽しさや喜びに満ちあふれている後者。喜怒哀楽それぞれの観点からエネルギー問題を捉えることは、やがて「人はどう生きるべきか?」という哲学の問題に行き着く。今作に登場するエイモリー・ロビンスは、その一つの答えを出していると言えるだろう。いくつかある今作のハイライトシーンの一つだ。
前2作でも見られたわかりやすい解説も健在。河合自らホワイトボードを使って原発推進派が喧伝する「デマ」を一つ一つ潰して行くのだが、今作では遊び心も加わっており爆笑必至。演出面でも確実に進化している。
特筆すべきはドキュメンタリー映画としての構成力の高さとスケールの大きさだ。物語中盤を過ぎてからの怒濤の展開は、SF映画のようでもある。ドイツ、アメリカ、デンマーク、中国……世界各国あちこち飛び回り、桃源郷のような風景を「現実の映像」として見せることで、我々に明るい未来を指し示す─もはや河合の映画監督としての才能は疑うべくもない。
米海軍・海兵隊エネルギー・環境安全補佐官のデニス・マッギンが語るように、我々は今まさに再生可能エネルギーの爆発的進化というエネルギー革命の始まりにいる。そしてその速度を上げたのは、2011年の福島第一原発事故である。皮肉なことに、日本は世界中で再エネ革命を起こすきっかけを作りながら、原発を生き残らせるためのエネルギー政策を選んだのだ。「お人好し」にも程がある。
原発によって故郷を奪われた飯舘村・飯舘電力の小林稔社長のコメントも印象深かった。
「(太陽光発電所を地域に作ることで)仕事を残しておけば、いずれ次の世代が何か(飯舘村復興の道筋を)考えてやってくれるんじゃないかと」
これを聞いた瞬間、なぜ河合が今作のタイトルを『日本と再生』にしたのか理解できた。「再生」は「再生可能エネルギー」と「地域(日本)再生」のダブルミーニングなのだ。ただそこにあるだけで、地域が再生する未来が見える。それが再生可能エネルギーなのだ。
『第4の革命』(カール- A・フェヒナー監督、2010年)というドキュメンタリー映画がある。今作とまったく同じテーマで撮影されたドイツ人監督による名作だ。今作と併せて鑑賞する(配給元ユナイテッド・ピープルのサイトでDVDが発売中)ことで、この6年で再エネがどれだけ進化したのか、再エネのポテンシャルがどれだけあるのか理解することができるだろう。
本当の「革命」はこれから起きる。「逆襲監督」の闘いはまだまだ始まったばかりだ─。
SUGIZO (LUNA SEA、X JAPAN, Violet UK)
エネルギー革命真っ只中の現在、この作品を観て確信する。
未来は希望に満ちている。
僕達が勇気と行動力を持ってそれを選択することができれば。
全ての日本人にこの映画を観てもらいたい。
そう、全霊で伝えたい。
前田有一 (「超映画批評」)
「日本と再生 光と風のギガワット作戦」75点(100点満点中)
取り残されてゆく日本
変化を体感できるドキュメンタリー映画ほど観客が熱中するものはない。まして社会そのものを変える意欲に満ちた映画ともなればその興奮たるや想像に余りあるが、日本でそこまでの影響力を映画が持つことは少ない。その、数少ない映画の一つになろうというのが、反原発訴訟の中心弁護士、河合弘之監督による作品群である。
その3作目となる本作は、これまでの脱原発に加えてその代案としての「自然エネルギー」を徹底的に分析する。批判だけならだれでもできる、では原発をなくしたあとの未来はどうあるべきか。それが監督が描こうと試みた主題である。
この手の反原発モノは腐るほどあるから、いいかげん見る側も飽き飽きしているかもしれないが、さすがは異業種監督。この映画は最初の1秒目から、凡百の反原発映画との違いを見せつける。いきなりとんでもない宣言を観客にたたきつけ、仰天させる。
観客はこれで一気にこの監督に好感を抱くと同時に、通常ならば伏せたいホンネをいきなりさらけだすさまを見て、彼のとてつもない自信に圧倒されるだろう。この映画を作った男たちは、自分たちの持つ情報、論理に圧倒的な自信を持っている。最初の1秒でそれを知らせてくる。
実際河合監督は、原発推進派の理屈などすべて論破できると豪語し、実際に法廷で彼らを打ち破らんと戦っている闘士でもある。ついでにいえば、当サイトが監督デビュー作「日本と原発」につけた70点という高得点に対し、私に面と向かって「俺はテストで90点以下は取った事がないのに」と不満をぶちまける豪気さも持っている。
そんな監督の最新作だが、いくつか素晴らしい取材を見ることができる。
真っ先に挙げたいのは熊本の農業、畜産家の女性へのインタビュー。エネルギー自給を目指す彼女を取材したそのすぐ後、熊本は大地震で甚大な被害を受けた。監督はすぐに連絡を取り、なんとかスカイプでつながった。そのとき彼女とその子供が一体何をしていたか。これは大きな見どころである。
同時に大地震という予測できない災害によって、この映画の主張が裏付けられた瞬間である。原発推進派は、おそらくこのシーンに反論することはできない。爆発したフクイチの映像の前で何も言えないように、だ。事実は何よりも強いのである。
次に心動かされるのは中国への取材である。自然エネルギーを称賛する彼らを前に、監督は臆せず「だが、あんたたちは原発推進だろう?」と厳しい質問をぶつける。その回答、これがすごいのである。フクイチ事故を見た彼らがここでなんと言ったか。
私はこのシーンをみて、内臓を締め付けられるような悔しさと、自国のふがいなさに対する怒りを覚えた。多くの日本人、愛国者が同じように感じることだろう。中国人のおそるべきしたたかさと現実主義についてコメントする監督の声が、いつまでも心にこだまする。
最後はアメリカのペンタゴン(国防総省)に突撃するシーン。ここで監督はアメリカ4軍のえらい人と話すことに成功するが、米軍側のセリフにはそれ以上に驚かされる。
不安定であてにならない自然エネルギーなんぞ、軍隊がもっとも忌み嫌う発電方法だろうという観客の先入観を、この米軍担当者は打ち砕く。しかもその理屈は、実戦経験豊富な米軍ならではの体験と多くの犠牲に基づくものであり、ぐうの音も出ないほど現実主義的ときた。
これまで自然エネルギーなど、理想主義者の非現実的な妄言だと馬鹿にしていた人がこれを見たら、いったいどう思うだろう。現実主義者の権化のような米中超大国が、しかも軍隊までもが、科学的な理由を持って自然エネルギーを推進している。
いまやそれをやらないのは、古めかしい技術の既得権者が足を引っ張る国だけだといわんばかりだ。原発マフィアのない国はどんどん先を行き、先行者利益を奪い合い、大きな経済成長を遂げている。そんな(完全に出遅れた我が国にとって)恐るべき実態が、この映画では明らかにされる。
いま日本の一部の人々は、あえて自然エネルギーを大成功しない程度に進め「やっぱりあてにならないね」などと国民が諦めざるをえない方向にもっていこうとしている。海外でうまくいったものが日本で成功しない原因も、映画の中で明らかにされる。
この映画を見て危機感を感じるのは、自然エネルギーで商売をしたい企業等の立場から見たら日本はあまり魅力がないのではないか、ということだ。本来、市場としては大変なポテンシャルがあり、技術力もカネもあるというのに。
この国では、この期に及んでもあれだけの事故を起こした原子力ムラが大きな力を保ち、相変わらず原子力一択で利益を独占しようとしている。
彼らに普及を邪魔されているうちに、日本は自然エネに関する先端技術だけを外国に吸いあげされ、実るはずだった果実を中国に食い荒らされている。
TOSHIBAの誇る高品質な機械によって自然エネルギー開発を大成功させた外国の映像を見て、忸怩たる思いを感じぬ人はいないだろう。
他の先進国はその東芝の技術や機械でどんどん自然エネルギー発電を運用して大儲けして、その東芝は原発の負債7000億を抱えて倒産寸前に追い込まれている。
一体全体こんな理不尽があるものか。いつまで日本はこんな馬鹿げた貧乏くじを引き続けるのか。
自然エネルギーとは、言い換えれば「エネルギー自給」と同じ意味である。だが日本で原発を推進する評論家たちは、きまって自然エネルギーを「非現実的」「主力にならない」「不安定」などと馬鹿にする。
もしそういう言論に出会ったときは、「自然エネルギー、再生可能エネルギー」のところを「エネルギー自給」と置き換えてみてみればいい。そういう人間が、実は口先だけで国益なんぞ考えていない、愛国心のない御用評論家だとわかるだろう。
原発に反対しようが賛成しようが、自然エネルギー=エネルギー自給は全力で目指すべき道なのであり、先進国はそうしている。
むろん、自然エネにも問題は山積なのだが、本作はそれについても一応の意見と見解は出しているので公平感はある。もっとマイナス情報を出してもいいと個人的には思うが、これは映画のコンセプトしだいなので、現状でも特に問題というわけではない。
なお、ドイツはフランスの原発に頼っているとか、風力は不安定でベースロード電源にならないとか、騒音問題やバードストライクがあるとか、素人がちょいと思いつく程度の反論についてはキッチリ対処済み。
……と、議論のネタにも事欠かない良い「材料」のそろった映画だが、不満がないわけではない。
たとえばこれだけいい材料で「自然エネルギー賛美」をしたいならば、もっと訴求力のある演出ができたろうと思う。先ほどの熊本の被災者のシーン後に、5年にわたる避難生活継続中の原発事故被災者を連続してみせるといった、強烈な印象を与えるであろう編集案がいくつも浮かぶ。
そうした意味で、もったいないなと感じる部分は多々あるが、これはそれほどおいしそうな材料揃いの映画という意味でもある。
監督には映画作りにもっと慣れていただき、次回はさらなる完成度の作品を見せてほしい。そんな期待が高まる一本と言える。
(「超映画批評」 : http://movie.maeda-y.com/movie/02147.htm)
弁護士が監督した映画あすから渋谷で
◇原発ゼロ後の世界を探り歩く
◆経済界へ 「自然エネルギー もうかる」
「朝日新聞」(2017年2月24日)
脱原発後の未来を探るドキュメンタリー映画「日本と再生 光と風のギガワット作戦」が完成した。25日から横浜市内で公開される。監督は、20年にわたって原発の危険を訴え、全国の原発差し止め訴訟の先頭に立つ弁護士の河合弘之さん(72)=東京都在住=だ。世界は自然エネルギーの潮流にあり、「自然エネルギーはもうかる」という経済界へのメッセージが込められている。
映画は、脱原発を目指す河合さんが「原発ゼロを実現しても自然エネルギーで地域も経済も再生できる」と信じ、環境学者の飯田哲也さん(58)とともに歩いた世界の自然エネルギーの実情を知る旅を描いたものだ。ドイツ、デンマーク、中国、米国、アイスランド、南アフリカなどに足を運び、日本でも自然エネルギーに取り組む人たちを約30カ所に訪ねた。
旅する中で、さまざまな人に取材、「自然エネルギーは天気まかせで不安定」「自然エネルギーは高くつく」「ドイツの脱原発、自然エネルギー推進はフランスから原発電気を買っているからインチキ」などの言説について、実証的に論破する内容になっている。
河合さんは、2014年と15年に「日本と原発 私たちは原発で幸せですか?」「日本と原発 4年後」と2本の映画を制作、日本の原発の問題点を描いた。これらは約1800回自主上映され、約10万人が見たという。多くの観客から「原発はやめなくてはならないのはわかったが、電気はどうすればいいのか」と問われたことが、この映画を作るきっかけになった。
1、2作は6700万円にのぼる制作・宣伝費は自腹を切ったが、今回は、寄付で約7千万円の製作費をまかなうことができた。もともとは「反原発なんて言わない方がいい」と言っていた知人の中小企業の社長ら十数人が原発の問題点を描いた前作を見て、賛同し、協力したという。
世界を旅した河合さんは「僕も2年間、あちこち旅をして学び、成長した。映画を通して、多くの人に自然エネルギーに向かっていけば未来は明るいということを知ってほしい」と話す。同時に、「特に経済界には自然エネルギーはもうかるということを知ってほしい。自然エネルギーはすでに世界を動かしていて、このままでは日本は乗り遅れてしまう」と訴える。
映画にも出演した小泉純一郎・元首相(75)は「自然エネルギーでやっていけるという説得力のある映画だ。原発ゼロ運動をしてよかったと思わせる内容。多くの人に見てほしい」と話した。
「日本と再生」は100分。上映は25日から横浜市中区の横浜シネマリンで(当日一般1800円、大学生・専門学校生1500円など)。劇場公開の後は、自主上映会も進めていきたいとしている。自主上映の問い合わせは、Kプロジェクト(03・5511・4427)へ。(編集委員・大久保真紀)
週刊女性
小泉純一郎、映画の披露試写会に登場し「原発ゼロでもやっていけることを証明した」
「週刊女性 2017年3月7日号」(2017/2/21)
「この6年間、原発がなくても全国で電力が足りなくて、停電になったことがなかった。原発ゼロでやっていけることを証明したことになるんです!」
元総理の小泉純一郎氏がまたまた吠えた。自然エネルギーの大いなる世界を描いた映画『日本と再生 光と風のギガワット作戦』の完成披露試写会に“推薦人”として登場。かねてから提唱している原発ゼロへのアツーイ思いを力強く語った。
監督を務めたのは20年にわたって原発の危険を訴え全国で差し止め訴訟を繰り広げてきた弁護士の河合弘之氏(写真左)。これまで世間に原発問題を理解してもらおうと自ら映画監督になり『日本と原発』『日本と原発 4年後』を製作。官民一体となった“原子力村”の構造をバッサリぶった斬る内容で、約10万人もの観客を動員。
「映画を見てくださった方々から“原発を止めてもかわりのエネルギーはどうするの?”という声がたくさんあって。その質問に逃げるわけにはいかないと思い製作しました」
そこで今回着目したのが自然エネルギー。ドイツや中国、アメリカなどを旅し、風力や地熱など急速に普及する自然エネルギーの最前線を徹底紹介。
「原発がなくても自然エネルギーだけでやっていけるんだっていう、すごく説得力のある映画。何よりも世界中を飛び回って取材した、河合先生のエネルギーもすごい(笑)」と、その仕上がりは小泉氏も舌を巻くほど。
「原発関係の会社の幹部たちや原子力専門家のみなさんは、頭のいい人たちばかりなんですよ。そんな彼らが、どうして原発に展望がないことがわからないのか不思議でしょうがない。学業成績優秀なのもあまり関心しないなって思うようになってきたね(笑)」
小泉氏は記者から東芝の原発事業問題など、“原子力村”について問われるとこう警鐘を。福島の原発事故で、より議論が活発化した日本のエネルギー政策。この作品に豊かな日本を取り戻すためのヒントが隠されているのかもしれない―。
(週刊女性PRIME:http://www.jprime.jp/articles/print/9130)